高齢になると、老化により噛む力が衰えて食べられない、味覚が鈍くなり食欲がわかないというようなことが起こります。またこのような状態が続くと、食べ物を飲み込む力も弱くなってしまいます。このように、十分な栄養がとれないと、健康を損ね、ひどい場合は寝たきりになるなど、生活の質(QOL)にも大きく影響します。
倉敷老健では、80歳以上の方が入所者の約8割程度いらっしゃいます。栄養状態が低下している方もおられるため、栄養サポ-トチーム(NST)が入所者の栄養改善に一役かっっています。
栄養サポートチームは、管理栄養士、看護師、薬剤師、言語聴覚士などの多職種で構成され、毎週木曜日に会議を開き、その方に合った食事内容への変更、嚥下状態を評価して必要なリハビリを考え、場合によっては栄養補助食品の提案もしていきます。
取組の一例をご紹介します。
病院を退院され老健に入所された時には、吐き気が続き、主食が半分しか提供されていませんでした。このままでは栄養状態の改善は見込めないため、栄養補助食品の高たんぱくのゼリーを食事に追加して摂取してもらうようにして、少しずつ体力がつき、自力でゼリーが食べられるようになってこられました。その後、この方が甘いもの好きとの情報があったので、高栄養ドリンクと高蛋白ゼリーを中心とした食事に変更してみたところ、食事量がアップしていきました。次第に身体機能の回復にもつながり、入所した時に比べて、何より表情が明るくなられました。
倉敷老健NSTはお一人お一人の健康管理とご自宅での生活環境を想定した支援も大切にしております。ご自宅での生活に向けてお悩みや不安など些細なことでもございましたらご相談いただけたらと思います。
暦の上では2月初旬の節分後に立春を迎え春が始まります。例年に比べ今年は厳しい寒さが続きますがどうぞ皆様に幸多き春が訪れますように体調にはお気をつけてお過ごし下さい。
倉敷老健 介護福祉士主任 F