リハビリセンター長
リハビリテーション医
大根祐子
倉敷平成病院リハビリテーションセンターでは救急から在宅まで一貫したリハビリテーションを提供し、患者さんを中心にした最善の医療を目指しています。
入院された患者さんに、急性期から回復期まで通じて一貫したリハビリテーションを実施し、機能向上、寝たきり予防を図ります。
回復期リハビリテーション病棟では365日リハビリテーション体制を整えており、リハビリテーション専門医、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、公認心理師、看護師、ソーシャルワーカーなど多職種の強力なチームアプローチを実践し、患者さんの機能向上と1日も早い在宅復帰を目指してサポートしています。
退院後には、外来診療・リハビリテーション、介護保険での通所リハビリテーション・訪問リハビリテーションを展開し、さらに、関連施設との連携により患者さん、ご家族さまの生活を包括的に支援します。
外来リハビリテーションでは、当院あるいは他院を退院された患者さんの更なる機能回復や、在宅療養中の患者さんの機能維持、また整形外科疾患の痛みのケアなどを中心に行っています。平成20年4月よりスポーツ外来を開設しており、地域の小中高生を中心にスポーツ外傷・障害のコンディショニングも行っています。
原則、外来専従の療法士による担当制で同じ療法士による継続した治療を受けられます。
訓練時間は待ち時間を少なくする為予約制にさせて頂いています。
脳出血、慢性硬膜下血腫など脳の疾患に対して手術を行う脳神経外科、神経内科の患者さんや、骨折に対する手術を行う整形外科の患者さんなどを中心に、発症・受傷直後および手術前後から治療・訓練を開始しています。
さらに肺炎や感染症による発熱および全身状態(体力など)の低下、そしてパーキンソン病に代表される神経変性疾患の急激な症状悪化などから、一時的に自立した日常生活が困難になった患者さんに対して生活復帰のための治療・訓練を行っています。
理学療法に関して、集中的な治療が必要な患者さんに対しては365日リハビリテーションを提供できる環境を整えています。
回復期リハビリテーション病棟は脳血管疾患整形外科疾患(大腿骨骨折・腰椎圧迫骨折など)・肺炎や手術後の廃用症候群の方を主な対象とし,より専門的なリハビリテーション・看護・ケアの充実を目指して運営を行っております。
入院中より集中的なリハビリテーションが365日提供できる体制になっています。
在宅で療養する皆さんの生活の場に理学療法士や作業療法士などリハビリの専門スタッフが伺い、日常生活の動作練習や介助方法の指導などを行い、安心してご自宅で生活が送れるよう支援していくサービスです。また、家庭内さらには社会参加への支援も行います。
PT科 | OT科 | ST科 | ST科CP | ||
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4階(回復期) | 東 | 12名 | 11名 | 5名 | 3名 |
西 | 12名 | 12名 | 5名 | 2名 | |
2.3階(一般病棟) | 11名 | 8名 | 4名 | 2名 | |
1階 | 外来 | 3名 | 2名 | 分担 | 分担 |
PT科 | OT科 | ST科 | ST科CP | |
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老健入所 | 4名 | 4名 | 1名 | 3名(兼務) |
老健通所 | 8名 | 4名 | 2名 | |
予防リハ | 4名 | 1名 | 1名 | |
訪問リハ | 8名 | 4名 | 2名 | |
特養・グループホーム・ショートステイ | 1名 | 1名 | ||
デイサービス | 2名 | 1名 | 分担 |
PT科 | OT科 | ST科 | ST科CP | |
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グループ全体人数 | 65名 | 48名 | 19名 | 8名 |
(令和4年6月)
研究業績については当院の年報をご覧ください。
①IVES(アイビスと呼びます)を使用したリハビリテーション
手を動かす時に発生する筋肉からの活動電位を皮膚に貼った電極から機器が読み取り、電気刺激にてより強い筋収縮を起こします。このことで筋収縮が弱く運動が実現できないところを助け、麻痺や筋力低下による運動機能の回復を促します。
各種筋、神経などに問題が生じ手や指の運動に不自由が生じた方(脳卒中など)。
当院に入院中の方、外来通院の方で医師の診察により装着によって改善が期待できると判断された方。
②ウォークエイドⓇを使用したリハビリテーション
ウォークエイドⓇは、脳卒中の運動麻痺などにより、歩行時につま先が持ち上がらない方に対し、腓骨神経を電気刺激することで、歩行の振り出しの時の引きずりを改善させ歩行能力の向上を目指します。
>>TEIJIN Medical Web(製品情報)
コンピューター技術とロボット工学を応用した上肢用ロボット型運動訓練装置を用いた訓練が可能です。様々な運動方向への上肢訓練が搭載され、可動域、動作速度、負荷量を設定することで患者様に合わせた訓練を行うことができます。脳卒中等の患者様に対して、麻痺症状の改善、筋力の向上、関節可動域の拡大を図り、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)の向上を目指します。
POSTIM(ポスティム)を使用したリハビリテーション
脳卒中などの後遺症による嚥下障害(飲み込みの障害)に対して使用する低周波治療器です。
POSTIM(ポスティム)は、動き難くなった喉の筋肉に痛みのない微弱な電気を流して刺激し、喉の動き(舌骨上筋群の筋収縮運動)の改善を目指します。
各種筋、神経などに問題が生じ嚥下(飲み込み)動作に不自由が生じた方(脳卒中など)。
当院に入院中の方で医師の診察により装着によって改善が期待できると判断された方。
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成人の脳疾患後
※ 失語症を有する場合は、軽度失語症以上
脳損傷などの後遺症によって、失語症のような、聞く・話す・読む・書くことに問題はなく、文法的にも聞くことや話すことができるにもかかわらず、「かみ砕いて説明しないと伝わらない」、「冗談が通じない」、また患者自身も「話がそれる」、「話が長い」など、会話が成立しにくくなることがあります。これを語用論的な言語障害といいます。つまり、コミュニケーションにおいて「何が言いたいのか?あるいは、何を言おうとしているか」の発話意図を推測しながら、会話を進めることが極端に困難になる言語障害といえます。
この語用論的なコミュニケーション障害については、その障害を捉える評価方法が日本ではなく、また介入方法も未確立であるため、復帰した日常生活で支障をきたしています。
今後、その介入方法を開発していくために、語用論的コミュニケーション障害を正確に捉えるための評価法を開発しました。
(※)興味のある方は、言語聴覚士 藤本まで
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【臨床指導マニュアル利用上の注意】
PDFデータをダウンロードされる際は、①どの資料を利用されるか(診療参加型実習の手引き・臨床実習経験と学びの記録・新人用ポートフォーリオ)、②お名前、③職種、④所属先、⑤ご連絡先を明記の上、倉敷平成病院リハビリテーション部PT科([email protected])までメールにてご連絡ください。ダウンロードは無料です。
回復期リハビリテーション病棟における認知症患者の転倒有無と自宅退院の関係
高齢者におけるFunctional Independence Measure(FIM)の臨床的に重要な変化値の検討
脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、パーキンソン病などの神経変性疾患によって起こる
コミュニケーションに障害を受けた患者さんやご家族に対し、相談・評価・指導などの専門的支援を行っています。2020年からは呼吸器リハビリテーション(Ⅰ)も行っております。
当法人には19名のSTが在籍しており、急性期から在宅まで継続的な支援を行っています。
入院したその日からリハビリテーションを開始します。
回復期病棟では365日体制でリハビリをサポートしていきます。
○高次脳機能訓練(失語症・注意障害・記憶障害など)
○構音、摂食・嚥下など口の動きに対する訓練
○呼吸器疾患に対する呼吸・発声訓練
入院からのリハビリテーションを継続して、在宅生活を安全に過ごす、職場復帰や社会復帰を目指す方へのサポートをします。新規外来の方も受け入れています。
在宅で自立した生活を送っていただけるよう、症状や能力に合わせた訓練や介護指導など、総合的なリハビリテーション支援を行います。
お家に訪問させていただき、在宅生活に即した訓練・サポートを行います。
高次脳機能障害・失語症をもつご本人さんとご家族さんの交流の場を提供しています。
岡山県の認定資格である失語症向け意思疎通支援の資格をもったSTがアドバイスも行っています。
屋外に活動の場を広げ、コミュニケーションを図ることもあります。
言語聴覚科一同、誠心誠意、患者様の機能回復とその後の生活支援に取り組んでいます。
公認心理師は2017年9月より国家資格化された資格であり心の健康をテーマとした学問を学び、“心”の問題を抱えている人の理解や回復を援助していく“心の専門家”です。
外来での認知症の方への認知機能検査・家族問診から、回復期リハビリテーション病棟での脳卒中後の心理的ケアまで幅広くたずさわっています。
~認知症になっても住みやすい地域を目指し、他職種と連携をとっています~
倉敷平成病院は、以前より「もの忘れ外来」を設置していましたが、2012年3月に岡山県認知症疾患医療センターの指定を受けました。その中で、公認心理師は脳神経内科医の指示のもと、認知機能検査(もの忘れの検査)や介護者への問診を行っています。また、対応方法について悩んだり、介護負担感の強い介護者に対しては個別のカウンセリングを行うこともあります。家族支援の一環として、認知症カフェ(わくわくカフェ)や家族教室なども企画して行っています。
和やかな雰囲気作りを心がけ、リラックスした気持ちで検査が受けられるように配慮しています。
介護者同士が知り合える場となっていたり、ご本人の普段見られない表情や様子に気付くことができる“きっかけ”の場となっています。
~手術前後の詳細な検査と心理的なサポートを行っています~
ニューロモデュレーションセンターは2017年4月に開設されました。パーキンソン病や本態性振戦、ジストニアなどに対する手術前後に、認知・精神機能検査を実施したり、必要に応じて個別のカウンセリングを行ったりしています。他職種と協力しながら入院生活を安心して過ごすことができるように働きかけています。
慢性疼痛に対する手術を受ける方は、精神症状(うつや不安)を合併しやすいと言われているため、精神面の検査を行っています。慢性疼痛の方は長年疼痛を抱えている方が多いため、訴えや治療の希望・目標をしっかりと聞きながら検査をすすめています。
~安心した入院生活が送れるよう、またリハビリへの意欲が維持されるよう心理的なサポートを行っています~
治療の過程で気分が沈みがちになったり、不安になったりする方がおられます。回復期リハビリテーション病棟では、治療やリハビリテーションをより効果的にすすめていくために、公認心理師が必要に応じて心理アセスメントや個別のカウンセリングを行っています。また、ご家族の心理的サポートを行う場合もあります。定期的なカンファレンスにも参加し、医師、看護師、MSW等と連携しながら、よりよい医療を実践しています。
~脳活性や精神面の安定を図るため集団回想法などを行っています~
倉敷老健(入所)では、利用者の方への定期の認知・精神機能検査を行ったり、集団心理療法(回想法)を行ったりしています。
昔懐かしい話題を提供し、利用者の方の自尊心を支えながら過去のエピソードを引き出し、参加されている皆さんが笑顔で交流出来るよう取り組んでいます。
当院における、IVESを利用したリハビリテーションに関するご相談は
リハビリテーションセンター 理学療法士 津田陽一郎、作業療法士 新崎佐江子にお問い合わせください。